MORNING MEメンバーVol.27

2019.11.14 更新

ヨガのインストラクターとして活動する角田春菜には、いくつもの顔がある。

ある時は通訳・翻訳を行なう外国人向けバスガイド、ある時は着物の装着も行なう着物販売員。たおやかな雰囲気からは想像もつかないほど好奇心旺盛で活動的な彼女は、元々は成田空港で日本航空のグランドスタッフとして勤務していた。

 

金沢出身の角田。幼いころから両親に連れられ、旅行に行く機会が多かったという。高校時代には、身近な存在だった“飛行機”にかかわる仕事がどうしてもしたいとの一心で、航空大学を受験。しかし不本意な結果に終わってしまった。そこで角田は、周囲の勧めもあり第二志望として受けていた航空自衛隊に入隊。2年間にわたり訓練や無線の仕事を行なってきたが、やはり飛行機への憧れは消えなかった。

「こうと思ったら、一直線に突き進むタイプなんです」と自身でも分析する通り、空港で働きたいという夢をかなえるため、専門学校で再度勉強することを決意。彼女は航空自衛隊を辞め、まずは単身オーストラリアへ行き、2か月のホームステイで英語を習得した。

 

専門学校を卒業した角田は、「どうしても成田空港で働きたかった」という自身の夢を叶え、上京。約10年と長きにわたり、空港で行きかう人々をサポートし続けた。

大好きな仕事だったと言い切る彼女だが、「どんなに好きでも辛いこともたくさんありましたよ」と語る。最も大変だったのは、台風の影響で飛行機が欠航になったとき。外国人の乗客から詰め寄られ、警察沙汰になるほどの罵声やクレームを受けたこともあったという。それでも、多くの旅人と関るグランドスタッフの仕事は、人との出会いを何よりも大切にする角田にとってまさに天職だった。結婚後も夫と住まいを別にしながらも約1年半続けるほど、ひたむきに仕事に打ち込んだ。しかし、「やっぱり主人とずっと別々に暮らし続けるのは難しくて…泣く泣く仕事を辞めました。でも、これも良いきっかけかなと思って」と、数年前にフリーランスへ転身。半ば諦めかけていた“やりたいこと”を見つめなおす機会となり、新たなチャレンジの日々が始まった。

 

フリーに転身してまず角田が取り組んだのは、ヨガインストラクターの資格を取得することだった。

金沢にいた頃から趣味で行なっていたヨガは、すっかり彼女の生活の一部になっていた。角田の仕事の本質にあるものは、自分が楽しみながら取り組めるかどうか。自分が楽しくなければ、人に想いは伝えられない。自分が幸せを感じなければ、人を幸せにできない。だから彼女は真っ先に、自身がもっとも楽しんで取り組めるヨガを仕事にすることを思いついた。

資格取得のための時間と資金を捻出するため、1年間は派遣で働きながらスクールに通った。RYT200というインストラクター資格を取得後、すぐに受けたオーディションでは、3社中2社に1発合格。類まれなるヨガセンスと、人に伝えることを得意としていた彼女の才能が開花した瞬間だった。

現在は、週に1日、20人ほどのホットヨガのグループレッスンを受け持っている。外国人向けのレッスンもいつか受け持ちたいと、ヨガで使う英単語を勉強中だとも語っていた。

 

角田の強みは、なんといってもグランドスタッフ時代に培われた英会話力。それを生かし、ヨガインストラクターと掛け持ちで行なっているのがバスガイドだ。もともとは、身につけた英会話力が仕事を辞めて失われつつあることに淋しさを感じたことがきかっけで始めたというが、水を得た魚のように、この仕事も天職となった。

角田が担当するのは日帰りツアーだが、富士山や箱根まで遠出することも多い。丸一日ツアー客と行動を共にすることで、「せっかくお金を払ってきてくれているので、とにかく“良かった”、“日本にまた来たい”と思ってもらいたい」という想いが、角田の中でどんどん強くなっていった。参加する外国人旅行客もお国は様々。欧米系のツアー客が多いそうだが、今は台湾人や中国人ともコミュニケーションが取れるよう中国語も勉強している。

 

そして最近始めたという着物販売員の仕事も、5年前に着付け師の資格を取得した時から「いつか仕事として関わりたい」と思い続けていたが、バスガイドの仕事で出会ったツアー客に「もっと日本の文化を伝えたい」という気持ちが形になった結果だ。金沢出身の角田にとって、飛行機と同じくらい身近な存在の着物。だからこそ「自分の知識や技術でお客様が喜んでくれるなら」と、彼女はまた着物について勉強を始めた。

「私がバスツアー会社と着物会社の橋渡し役になって、着付けや茶道・華道などの文化体験ができるツアーが企画出来たら面白そうですよね」

外国人向けヨガにしろ、日本文化体験のツアーにしろ、角田はとにかく新しいことにチャレンジしたいのだと力強く語る。MorningMeへの登録は、ヨガのインストラクターとしての幅を広げたいと思ったことがきっかけだが、様々な分野で活躍するメンバーがいるMorningMeと一緒に仕事ができれば、もっと新しい道が開けそうだとも感じているという。

 

「私は好奇心で動く人間ですよ」と言いながらも、目の前にいる人を喜ばせたい、楽しませたいという心から湧き出る相手への純粋な想いを、行動の原動力としている角田。

毎日を楽しく幸せに生きる彼女だからこそ、その喜びを少しでも目の前の人に還元したいという想いが全身から伝わってくる。今日も三足の草鞋を履きながら、幸せのおすそ分けに翻弄している彼女の姿が目に浮かぶ。